創造 (Creation)
大学院入試対策:研究計画書の書き方
研究計画書(研究希望書や論文作成計画書)は大学院入試で合格の要.
大学院入試のための研究計画書の書き方について簡単に記載します.
(先ずは 問い合わせ から相談して下さい.)
ページの最後に「研究計画書の書き方(例)」のリンクをつけております.
「論文作成計画書」とは「研究計画書」に加えて論文完成までのタイムスケジュール等を具体的に記載したものです.
「研究計画書」の書き方について,理系,文系,医療系等に分けて考える必要はありません.基本は同じで,どちらかというと「調査」,「発見」,「応用」等に分けて考えるのが良いと思います.
最も興味のある事柄,最も得意とする事柄,最も知識を有している事柄について書かれることをお勧めいたします.
緻密な研究計画書を書くと,英語試験対策や専門試験対策にもなります.
次のステップに沿って研究計画書を書いてみて下さい.
研究計画書
1. 研究計画書を書く目的
1. 1 書類審査通過のために「研究計画書」は何をどのように研究していくかを示す研究計画と,それに対する意欲を示すためのものであり,入試の合否を決定するといっても過言ではありません.
1. 2 研究内容の審査のために大学院が「研究計画書」を提出させるのは,研究内容について持っている知識と創造性(オリジナリティー)について調べます.
ページの先頭へ2 研究内容と研究室
受験する研究室の研究内容の傾向をWebページや,これまでの投稿論文で調べ,研究室の雰囲気を含めて調べておきましょう.
ページの先頭へ3 研究計画書の役割
研究計画書を見ると,受験者の研究に対する心構えや,研究遂行能力が見えます.どの部分がどの程度不足しているかを判断し,大学院の課程の中でその能力が補えるかを見ます.
もうひとつは,研究結果を論文にまとめる力を見ます.この能力も上述した研究遂行能力と同様,課程の中でその能力が補えるかをも見ます.
4 研究の範囲(大きさ)
修士課程,博士前期課程では,最低1年(1年の短縮が可能です.)から,最長4年までの間に修士論文を完成できるかを見ます.博士後期課程では,最低2年(1年の短縮が可能です.)から,最長6年までの間に博士論文を完成できるかを見ます.
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5 これまでの研究結果
研究業績が有り,特に提出する研究計画書にかかわる研究がある場合は,それについて記載します.
ページの先頭へ6 研究計画書の書き方
研究計画書に書く内容は,
- 1 表題,
- 2 研究の背景,
- 3 目的,
- 4 方法,
- 5 結果予測,
- 6 研究の意義,
- 7 進捗状況,
- 8 参考文献, というような項目になります.これに,
- 9 スライドの作成を加えます.
普通より多いように感じられると思いますが,これから1項目ずつ説明をしていきます.
6. 1 表題
「研究計画書」では,先ず,題目を見ることになります.極端な物や,奇抜な題目をつけるのは推薦できません.しかし,あまりにも一般的な物も推薦できません.研究内容を端的に表現できていることが重要です.
先ず,現状を知る必要が有ります.現状を知ることによって,新たな展開を進めることができます.これが,研究の下調べでもありますし,後述する参考文献の選択にも通じることになります.
目の前にある目的より一段上位の目的を考えてください.究極の目的は「人類の幸福」にあることを理解しましょう.「実験,や調査をすること」そのものが目的にならないように気をつけましょう.
6. 4 方法誰でも読めば分かる程度にまで掘り下げて,文章化しておきます.この部分は思ったより多く記載することになります.できたら,読んだ人が実験や調査ができる程度にまで掘り下げておきましょう.
6. 5 結果予測結 果を予測せず,闇雲に研究を進めるのは暗礁に乗ってしまうことになります.論理的に考えたときに,ある仮定を提案して,実行したときに予測できる結果とい うものが有ります.その結果が全く異なる方向を向いていたのでは,何のために「研究計画書」を書くのか分からなくなります.試行錯誤は「最後はこうなって ほしい」という仮定と結果予測があっ て初めてできることです.
6. 6 研究の意義「研究計画書」に研究の意義(社会的意義)を記する場合と,記載しない場合があります.違いは文字数の制限と考えておいて良いと思いますが,私の意見では短くとも記載するのが良いと思います.
「研究計画書」に書いた研究が現在何処まで進んでいる のか,その進捗状況を書きます.文献を読んで,下調べをしただけなのか,それとも実験あるいは調査の一部を終了し,データ収集は終了しているのか?という ことを記載し,研究全体の何%まで終わっていて,残りの研究あるいは調査が修士あるいは博士課程で修了する見込みについて明らかにします.
6. 8 参考文献参考文献は「研究計画書」に記載する場合としない場合があります.研究の意義と同じで違いは文字数の制限と考えておいて良いと思います.研究の背景を裏付けるための参考文献が主となりますので,うまく研究の背景を記載すると,記載する必要がありません.
6. 9 スライドの作成プ レゼンテーション用にスライドを作っておきましょう.プレゼンテーションの時間はさまざまで,15分程度から30分,あるいは60分の場合もあります.そ れぞれの制限時間に合わせてスライドを作っておきましょう.そのためには,提出する「研究計画書」より,内容をより詳細なものにした緻密な「研究計画書」 が必要になります.
ページの先頭へ7 二つの研究計画書
なぜ,研究計画書が二つ要るのでしょうか?一つは,大学院に提出する書類の一つで,大学院入試に受かるために書く研究計画書です.もう一つも大学院に受かるためのものですが,書類として提出するのではなく,受験するあなたが使う研究計画書です.
7. 1 審査用の計画書こちらはこのWebページの主題となっているもので,大学院合格の要です.そのため,書式や長さ,あるいは規定に合致しているかとか,結構細かい規制がある書類です.
7. 2 面接用の計画書(自分用)自
分用の「研究計画書」は面接やプレゼンテーションのために前もって作成しておくものをさします.これは指導教員や面接時に見せるものではなく,自分自身が
理解できたらよいというものです.提出する分とは異なり,書式も文字数も自由ですから,できるだけたくさん書いておくのが良いと思います.
8 研究計画書と面接
面 接は面接官複数と受験生が対面して質問を受ける形になる場合が多いと思います.一般的なことを聞かれた後,「研究計画書」についての質問に移ることが多い と思います.「研究計画書」の一部について具体的に聞かれることもありますし,抽象的にオリジナリティーは何かを聞かれることもあります.提出した「研究 計画書」に書かれていない内容についても問われることが多々ありますので,面接用「研究計画書」を作っておくのが良いと思います.
ページの先頭へ9 研究計画書とプレゼンテーション
一種の面接と考えられます.ただ面接と異なることは,実際に点数をつける面接官は多くはいないと思いますが,プレゼンテーションを聴く人数は,専攻全員の場合も有り,20人を超える場合もあります.
スライドやOHPを利用することがほとんどだと思いますので,自分用に作った研究計画書をまとめて,作成しておく必要があります.あなたの話すペースにも
よりますが,スライド一枚にどの程度の時間をかけるのか?どのように作成しておくのが良いのか?検討しておく必要があります.それに,全体の時間配分につ
いても検討する必要があります.
プレゼンテーションは個人面接と違って,設定された時間一杯をうまく使うことが得点につながってきます.
(困ったことがありましたら 問い合わせ から相談して下さい.)
研究計画書の書き方(例)